定番料理は唐揚げと生姜焼き
──どのような方針でレストランを運営しているのですか。
会員は地元の方が多く来場頻度が高いこともあって、親しみやすいゴルフ場を目指しています。レストランも〝親しみやすさ〟を大切に、お客様のニーズにあった美味しい料理の提供を心がけています。
──レストランが大切にしている〝親しみやすさ〟とは、具体的に何でしょう。
余裕のある時はこちらからお客様に声をかけて話をするなど、コミュニケーションを大切にしています。これには情報収集の目的もあります。
いろいろ要望を言われることもありますが、そうした声には「ノー」と言わず、できる限り対応しています。
メニューに関しては、唐揚げや生姜焼きなど馴染みのある定番料理を提供するようにしています。
──どのような要望ですか。
たとえば、「そばに付いている鯖の棒寿司を稲荷寿司に替えて」とか、「カツ丼ではなく玉子丼にして」とか、「カツ丼に付いている味噌汁をミニうどんにして」といった、ちょっと手をかければ対応可能なものがほとんどです。
──メニュー作りで意識していることは何ですか。
いちばんは、お客様の要望を取入れること。よく来場されるメンバーの方は、「次は◯◯を出して」とか「食べやすいから丼物を作って」などと気軽に要望をおっしゃるので、そうした意見を取捨選択して取入れています。
客層はシニアが中心ですが、2016年に関西オープンを開催してからアスリート系の30〜40代の来場が増えてきていますし、土日はコンペのお客様も多い。
若い人向けにがっつり食べられる肉料理を何品か揃えたり、シニア向けに鯖の塩焼きと肉じゃがをセットにした「焼き魚膳」を用意するなど、老若男女、幅広いニーズに対応できるメニュー構成を心がけています。
──メニュー変更のタイミングは?
料理は季節感を大切にしているので、大きくは3カ月に4〜5品変更しています。週に2〜3回来場されるメンバーがいらっしゃるので、飽きがこないように毎月1〜2品変更するほか、ゴールデンウィークなどに期間限定メニューを用意しています。
メニューを変更する際は、まず、レストランのスタッフで試食をして改善を加え、さらに社長や支配人、副支配人、フロントや事務所のスタッフにも試食をしてもらって意見を聞き、改良を加えてOKの出た料理を提供しています。
──週2〜3回来場する方がいるとなると、飽きのこない工夫も必要になりますね。
はい。飽きがこない工夫として、たとえば「石焼ビビンバ」は肉の代わりにマグロを使ってオリジナリティを出したり、流行を取入れたりしましたが、馴染みのある分かりやすい料理が好まれるようで、あまりウケませんでした。
最後は出汁をかけてお茶漬けにして食べる「釜飯風鶏めし」も、召し上がった方、特に女性には大変好評をいただいているのですが……。
とはいえ、定番のモノばかりでは面白くないので、流行や遊び心を加えた料理を必ず1品は用意するようにしています。何がお客様にウケるのか分かりませんから。
遊び心メニューの、石焼あんかけ焼きそば
──流行や遊び心を取入れ、好評だったメニューに何がありますか。
ローストビーフ丼が流行っていた時にローストビーフのみを提供したり、定番の唐揚げは柚子胡椒で下味を付けるなどオリジナリティにこだわりました。「国産若鶏のからあげ膳」は、人気ナンバー1メニューになっています。
熱々の鉄板で提供するソース焼きそばをヒントに、以前提供していた「皿うどん」を熱々の石焼の器に盛って、「石焼きあんかけ焼きそば」にアレンジしました。
香りが辺りに広がり、最後まで熱々の状態で食べられます。お客様には大変好評で、外せない通年メニューになっています。
デザート開発に注力し、プレー後の利用を促進
──プレー後にレストランを利用する方には?
コンペパーティも含め、プレー後の利用率は約4割です。
最寄りの林間田園都市駅からクラブバスを運行しているので、お客様には仲間とお酒を楽しむなどプレー後もゆっくりと過ごしていただきたいと思っており、ドリンクやデザートメニューの開発に注力しています。
春は地元産のいちごを使った「ふわふわシフォンスコップケーキ」と「レアチョコ&苺アイス」を、夏季は氷屋から仕入れた氷と専用の機械で作ったふわふわのかき氷を提供しています、その時季はプレー後のデザートを楽しみに来場される方もいます。
この辺りは富有柿が有名なので、今秋までに柿を使ったスムージーやスカッシュを開発したいと考えています。
──ほかに、お客様に喜んでもらうために実施していることはありますか。
大阪方面のお客様が多いので、苺や富有柿など地元産の農産物や果物、季節の饅頭、柿の葉寿司など土産品を多数取り揃えて販売しています。
当クラブは橋本市の桜の名所に選ばれていることもあり、花見の時季は予約制で「花見弁当」を用意して、ノンプレーのお客様の食事も受け入れています。
外にブルーシートを敷いて表彰式やパーティをするコンペもあり、毎年、10日〜2週間の間に350〜400食販売しています。
──桜の時季以外にも、ノンプレーのお客様を受入れていますか。
毎週木曜日に橋本市のロータリークラブの会食を受入れており、毎回50〜55人の食事を用意しています。特に宣伝はしていませんが、ノンプレーの受け入れが口コミで広がっているようで、時々問い合わせがあります。
ゴルフのお客様を最優先に、可能な範囲で食事や法事等も予約制で受入れています。
橋本カントリークラブ(27H)
(和歌山県橋本市隅田町下兵庫1123)
開場日 昭和41年10月16日
テーブル数 19卓
スタッフ 厨房=コック5人、調理補助・洗い場=5人
ホール=ウエーター2人、ウエートレス8人
営業時間 オープン/トップスタートの30分前
クローズ/お客様が帰るまで