昭和33年開場。赤星四郎設計の「富士カントリークラブ」
![画像: 「アンジュレーションこそゴルフの生命線」とは名設計家・赤星四郎。広大な自然の中からベストなレイアウトを探し求め18ホールを揃えた](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/c0fc7e7b6f0f226e0fcfbc22dcc6c21b9cc072d1_xlarge.jpg)
「アンジュレーションこそゴルフの生命線」とは名設計家・赤星四郎。広大な自然の中からベストなレイアウトを探し求め18ホールを揃えた
ゴルファー以外も魅了する、受け継がれてきた伝統の味
![画像: 富士CCの「FCCカレー」1080円](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/60e161863717df2bae031ce41ee072277fad1d8d_xlarge.jpg)
富士CCの「FCCカレー」1080円
プレーせずに、ゴルフ場に食事にだけ行く人がいるとしたら、ちょっと珍しい人か、よほどの味のどちらか。もちろん、富士カントリークラブは後者だ。
秩父宮雍仁殿下(ちちぶのみややすひとでんか)は1941年、療養のため御殿場の別邸に移り、1953年に、病状悪化により逝去されたが、妃殿下勢津子さまは、その後も別邸を訪れた折、別邸に隣接する富士CCのレストランでたびたび食事をされていたそうだ。
また、第56代内閣総理大臣をつとめた岸信介も、政界引退後、御殿場に暮らしたが、プレーに訪れただけでなく、プレーせずにカレーを食べて2時間ほどハウスでくつろいでいった」と富士CC理事長・橋本仁さんは証言する。
![画像: 第56代内閣総理大臣・岸信介は、ゴルフ好きで知られた](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/5d4c1dd338a41881496800bfd6d84f9f26de7bd2.jpg)
第56代内閣総理大臣・岸信介は、ゴルフ好きで知られた
富士CCの料理長・細野正さんは、素材にこだわり続け「食べたときに鼻から抜けていくような、口に入れたときは『あぁ、カレー』と感じられるもの」を作りつづけている。
![画像: 「いい素材が入らないと作らない」と語る、料理長・細野正さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/d9fa8cc93f5975234633e0a97f77be68cb00a34d_xlarge.jpg)
「いい素材が入らないと作らない」と語る、料理長・細野正さん
料理は仕入れた素材で味が決まってしまうことから、「いい素材が入らないと作らない」そして「カレーや鉄火丼など簡単に見える料理ほど難しい。だから食べたらそのゴルフ場の味がわかる」と語る。
塩を一切使用しない。その代わりに地元産の甘露醤油を使っている。
甘露醤油
塩水の代わりに濃い口醤油を使って仕込んだ醤油。味は濃厚で、刺身などに向く。再仕込み醤油。
![画像: メンバーやゲストのゴルファーはもちろん、著名人をはじめ多くの人々に愛されてきた伝統の味](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/fb3b4fb6478c6cba1bc18e3ab4d5181c731ca5ae_xlarge.jpg)
メンバーやゲストのゴルファーはもちろん、著名人をはじめ多くの人々に愛されてきた伝統の味
秩父宮邸のやや裏手にあたる場所には、映画監督・黒澤明の別荘があった。別荘は13番ホールに接していて、ハウスからキャディさんを呼ぶとそこからプレーを開始してハウスまで行き、1番からまたプレーを楽しんだという。カレーが好物のひとつで、カレーとサラダを食べたあと「ビールの1杯がいいんだ」と語ったという。
![画像: プレー中の黒澤明監督](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/ec3e68627aeab168d6a77731e9ad8da0d6901c05_xlarge.jpg)
プレー中の黒澤明監督
![画像: ハウス内に飾られている、黒澤明監督が描いた富士山の絵画](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/b55ab66dfec7b27c5a0ecfb5d9565b117cbc5126_xlarge.jpg)
ハウス内に飾られている、黒澤明監督が描いた富士山の絵画
自然と一体化する砲台グリーン「富士カントリークラブ」
![画像: 地形のアンジュレーションがいかされた高低差、「富士カン」の魅力](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/615b71932b46088bf883c5c980fa14fe02fb1265_xlarge.jpg)
地形のアンジュレーションがいかされた高低差、「富士カン」の魅力
御殿場市最古のゴルフコース「富士カントリークラブ」。コース設計は赤星四郎。クラブハウスはレーモンド設計事務所が手掛けた。コースは「あるがままを潔し」とした自然のままのコース。全ホールから霊峰富士山を望むことができる。富士山麓と比べて天候が安定しており、夏は涼しく、冬は雪が降りにくい。
![画像: ベントのワングリーン](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/99c02d7f718b9a7e821efded7e24c931dae10b01_xlarge.jpg)
ベントのワングリーン
![画像: 時を経ても色あせないレーモンド設計事務所によるクラブハウス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/932c287085710d1badd686c2a91ac20df9dff4e0_xlarge.jpg)
時を経ても色あせないレーモンド設計事務所によるクラブハウス
![画像: クラブハウス前から富士山を望む](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/01/28/fc3b0eabd9c209aab0a44538f2ca14c85f4342a5_xlarge.jpg)
クラブハウス前から富士山を望む
富士CCのクラブハウスは登録有形文化財認定第1号。61年間、改築をせずに同じ建物を使用している。
赤星四郎
米ペンシルべニア大を卒業後、米スタンダード石油でビジネスを学ぶ。米国滞在中にゴルフやコース設計理論をマスターし、帰国後はトップアマ、設計家として活躍。弟の六郎とともにゴルフの普及に尽力した。
【主な設計コース】
程ヶ谷CC(大正12年)・霞ヶ関CC東コース(昭和4年)・函館GC(昭和11年)・熱海GC(昭和14年)・箱根CC(昭和29年)など
富士カントリークラブ
18H・6789Y・P72
静岡県御殿場市東山2472
TEL.0550-82-1616
公式ホームページはこちら
「このコース、このクラブハウスに、このカレーあり」と言いたくなる富士CC伝統の一品だ。
週刊GD2019年2月5日号より
「カレーを食べれば、コースの品格がわかる」第ニ回も随時配信予定です