【ゴルフコースの評価基準】
ゴルフコースを評価する「7つ」の項目がある。①ショットバリュー、②難易度、③デザイン・バランス、④ホールの印象、⑤景観の美しさ、⑥コンディション、⑦伝統・雰囲気。この7項目は米国ゴルフダイジェスト、ゴルフマガジンが発表するランキングの評価基準にもなっている。当コラム【伝説の名勝負。ヒーローの足跡】は、このコースでどのような「歴史」が作られ、「公式競技」を開催したかを掘り起こすことで、「伝統と雰囲気」をみるものです。
「ノブちゃんのツキのなさに助けられた」(尾崎直道)
3日目を終わって4アンダーで久々の首位となった尾崎直道は、「ピンの位置が難しいから神経使いますよ。明日1ラウンドにならないかなー、霧が出たりしてね…。ともかく、なんとか1ラウンドで
」と叫ぶように、いや祈るような顔つきだった。
一方、首位並走ながら勝てば4年ぶりという若大将こと湯原信光は、「首筋が痛い。このままだったら長丁場の方がチャンスはある。だいたい早起きは苦手なんだよね」と。
直道が悪天候で1ラウンドを、湯原は長丁場の2ラウンドを望み、それぞれの考え方が違って面白かったが、最終日は直道の望む通り1ラウンドになった。
結局、天候も回復して快晴になり、勝負も尾崎直道と湯原信光の一騎打ちとなったが、3日目終了して1ラウンドを望んだ尾崎直道が果敢に攻めて18番ロングを2オン、湯原はイーグル狙いしかなく190ヤードを5番アイアンで打ってグリーンオーバーさせてしまった。
負けた湯原は、「今イチダメだね、体に不安がある…首はまだ痛いし…」。そして久々の優勝を見事に飾った直道は、「ノブちゃんのツキのなさに助けられた。1ラウンドだったらチャンスがあると思っていたし、予想通りだったでしょ。最近、予選落ちが続いていたから…この試合は狙っていました」
優勝した直道の目が光っていたのが印象的だった。
(週刊ゴルフダイジェスト1987年7月21日号)
【試合経過】
【初日】関東プロ3連覇を狙う中嶋常幸と尾崎直道が68の4アンダーで首位並走。3位にはベテランの村上隆、海老原清治、湯原信光らが続く。
【2日目】朝からの雨と濃霧のため午前8時22分に中断、その後も天候が回復せず9時に中止となった。
【3日目】前日の雨が嘘のような30℃を超える真夏日となった。午前、午後にわかれて143名がラウンド。中嶋常幸が通算2オーバーの8位タイに後退。尾崎直道、湯原信光が通算4アンダーで首位に。
【最終日】最終組がスタートする少し前から快晴となった。勝負は直道と湯原の一騎打ちとなり、湯原が13番、15番、16番をボギーにして自滅し、尾崎直道が通算4アンダーで優勝。3位は実力派に変身した高橋勝成が尻上がりに調子を上げて1アンダー。
1987年関東プロ
下秋間CC/7127ヤード/パー72
1位 -4 尾崎直道
2位 -3 湯原信光
3位 -1 高橋勝成
4位 +3 田中泰二郎
5位 +4 芹澤信雄
小林富士夫
田中文雄
8位 +5 鈴木弘一
海老原清治
河野和重
青木基正
浜野治光
下秋間カントリークラブ
群馬県安中市下秋間4385
TEL 027-382-5111
コースタイプ/丘陵コース
グリーン/ベントの1グリーン
会員権/預託金制で譲渡可
18ホール/7403ヤード/パー72
コースレート75.4/スロープレート134
設計/石井朝夫
開場/1977年
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