井上誠一とJ・二クラス。似た地形の設計でもこれだけ違う
日米を代表する2人の設計するコースは、見た目以外にも実際、どのような違いがあるのだろうか。
「簡潔に言えば、プレーヤーの側面を持つニクラスは、球筋とキャリーの飛距離を要求するコース作 りを好みます。対する井上は、時期によって設計に対する考え方も変化しましたが、その土地をその まま使うのが上手いと思いますね」とはゴルフ場設計家の川田太三氏。
2人の思想が見て取れる「看板ホール」をピックアップ
石岡GC 15番ホール
石岡ゴルフ倶楽部
18H・7071Y・P72
茨城県小美玉市世楽1050-1
TEL.0299-58-5111
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龍ヶ崎CC 10番ホール
龍ヶ崎カントリー倶楽部
18H・7047Y・P72
茨城県龍ヶ崎市泉町2080番地
TEL.0297-62-2611
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「ニクラスのコースは、斜めにグリーンを使うケースが多く、左右どちらかに巨大な池を配することで、ゴルファーに攻めるか守るかの判断を要求します。また井上はバンカーのあごの高さを巧みに使 うことで距離感を狂わせ、小さな砲台グリーンでショット力を試します。2人の設計を知るだけでも、プレーの内容が変わるはずです」と川田氏。
2人の設計哲学を紐解くことで、コース攻略の基本が見えてくる。設計が分かれば、プレーの深みがより増すはず。
J・二クラス設計「ゴルフ5カントリー サニーフィールド」
プレーヤーの技量を帝王が問いかける
「ゴルフ5カントリー サニーフィールド」は、水戸から1時間ほど北の立地ながら、都内から足繁く通う競技ゴルファーも多い北茨城の名コース。
名物ホールは、何といっても池がフェアウェイを囲むように造られた8番パー4。正面バンカー左を攻めるにはキャリーで220ヤードが必要。多くの人は、 1打目から悩み抜くだろう。
ゴルフ5カントリー サニーフィールド
18H・7148Y・P72
茨城県常陸大宮市野口1743-14
TEL.0295-55-3232
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井上誠一設計「大利根カントリークラブ」「大洗ゴルフ倶楽部」
大利根カントリークラブ
36H・14202Y・P144
茨城県阪東市下出島10
TEL.0297-35-1344
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大洗ゴルフ倶楽部
18H・7200Y・P72
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8231-1
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いいコースは時が経つほど成熟する
松林の平坦地に造られた「大利根」に、平坦でありながら起伏に富む「龍ヶ崎」、海沿いの砂丘に造 られた「大洗」と、同じ設計家でも性格が異なる3コースは、いずれも設計家として脂が乗り切った時期の井上が太鼓判を押した土地に造られた。
共通点の〝松〞はすでに樹齢50年を越えるが、当時から井上は「木々が成長したら立派なハザードとなる」と、コースの成長した姿まで予見した。
50年後、井上が予言した空中ハザードは、それぞれのコースの、もうひとつの顔となっている。
月刊GD2019年9月号より
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