長いパー4でピンチを回避できるか、短いパー5でバーディチャンスを作れるか。ピンまで30・40・50ヤードのアプローチショットは、ゲームを組み立て、流れを作る大事なショットになります。ゴルフを始めたばかりの頃は、その大切さに気付きにくいのですが、ゴルフが上達するほどに、この「1打の重み」がわかってきます。今回の通勤ゴルフダイジェストは、星野英正プロによる30・40・50ヤードをしっかり10ヤード刻みで打ち分けるポイント。一回目は、プロコーチの内藤雄士氏のPGAツアー解説とともにお送ります。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【解説・指導】星野英正プロ
ショットメーカーで小技上手の理論派プロ。ツアー3勝の41歳。宮城県出身

PGAツアーでは「ここから2打」が当たり前。3打かかったら圏外に押しやられる

【PGAツアー解説】内藤雄士プロ

「PGAツアーでは『3打目力』が注目されています。ドライバーは300ヤード飛んで当たり前、ミドルアイアンは5メートル以内、ショートアイアンは1ピン以内というショットの共演が毎試合行われているなかで、いかに上位グループに踏みとどまり、そこから一歩抜け出すかは、『3打目力』にかかっているといってもいいでしょう」(内藤)

画像: PGAツアーでは「ここから2打」が当たり前。3打かかったら圏外に押しやられる

「PGAツアーでの30・40・50ヤードはもはや『寄せる距離』ではなく『狙う距離』。どう寄せるかではなく、どう入れるかのレベルになっています。このレンジなら、2打で上がるのが当たり前で、『3打』かかってしまったら、フィールドからおいてきぼりになる、それほど重要なショットになります」

「ここ数年でPGAツアーのスウィングは大きな変革がありました。それにともなってアプローチの打ち方も変わってきました。特に飛ばし屋で知られるローリー・マキロイとダスティン・ジョンソンの打ち方を見ると、その動きが顕著に表れています」(内藤)

ローリー・マキロイの50yアプローチ

「従来のアプローチショットは、腕とクラブを体の正面にキープして、インパクトは体を開かずに打つのが主流でした。しかし、マキロイやダスティンの打ち方を見ると、インパクトで体(特に腰)を開いて(切って)打っています。これは回転スピードで飛ばすフルショットと同じです」(内藤)

画像: 左が従来のアプローチ。右が回転量で距離を合わせるアプローチ(星野)

左が従来のアプローチ。右が回転量で距離を合わせるアプローチ(星野)

「おそらくマキロイもダスティンも腕を振る感覚はなく、体の回転だけで打っているイメージだと思われます。だから、距離の打ち分けも体をどれぐらい回転させるかという部分で調整しています。距離感が合わないとお悩みの方に、ぜひ真似してもらいたい打ち方です」

画像: D・ジョンソン

D・ジョンソン

【通勤GD・今日のポイント】
タイガーよりもマキロイの方が体の回転で打っている

タイガーのアプローチは腕とクラブが体の正面にキープされていて、インパクトでは腰は開いていない。対してマキロイは肩の入りが深く、インパクトでの腰の回転も大きい。

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