【クラブハウスグルメ】ゴルフ場で「焼そば」と言ったら「あんかけ」です。明治32年創業、北海道小樽の中華店「梅月」から全国へ。

2018-10-25

影山鉄 @ ゴルフへ行こうWEB

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カレーやとんかつ、蕎麦ほど定番ではないけれど、なぜかゴルフ場のメニューに載っていることが多い"あんかけ焼きそば"。華やかでなくとも、たまにじんわり食べたくなる不思議なメニュー。麺に絡みつく熱々トロトロの餡がこれからの季節にぴったり。次のラウンド、お昼はこれに決めた?

"あんかけ焼きそば"は、昭和32年創業の中華料理店「梅月」が元祖

スープの表面にラードの膜をつくることで、熱々状態を長くキープする味噌ラーメンなど、気温が氷点下をはるかに下回る冬の北海道では、冷え切った体を温めるさまざまな工夫が生まれてきた。あんかけ焼きそばは、体を効率的に暖められる料理のひとつとして、北海道の小樽で誕生したと言い伝えられている。

熱々の餡をやきそばにたっぷりとかけた"あんかけ焼きそば"、小樽が発祥の地だと聞けば、確かに、「そうかなるほど」と納得の一品である

画像: 小樽の「中華料理海月」で焼きそばつくりを担当していた鈴木幸安さんが、昔ながらの味を提供する「華舟」の"ヤキソバ" — 小樽の「中華料理海月」で焼きそばつくりを担当していた鈴木幸安さんが、昔ながらの味を提供する「華舟」の"ヤキソバ"

小樽市内では約70年の歴史があるソウルフードであり、いまでも市内では中華店のみならず食堂や喫茶店などでも食べられるメニューだという。

これまでは、かつて小樽にあった「梅月」の"五目あんかけ焼きそば"が元祖だと言われてきた。しかし、小樽の魅力を発信する「小樽あんかけ焼きそば親衛隊」によると、「『梅月』で供される以前の昭和25年頃には『レストラン・ロール』や『来々軒』ですでに出されていたという証言もあります。つまりもっと古い可能性が出てきたのです」とのこと。

真偽はともかく、小樽とあんかけ焼きそばの関係は古い。あんかけ焼きそばは、昭和30年代に小樽で流行し、全道へ広がっていったのだ。

「梅月」「レストラン・ロール」「来々軒」はすでに店を閉じ姿を消したが、「梅月」で修行した鈴木幸安さんが営む「華舟」では、名店と呼ばれた「梅月」の味を今に受け継いでいる。

画像: 「梅月」で修行した「華舟」店主・鈴木さん — 「梅月」で修行した「華舟」店主・鈴木さん

「当時は常に満席状態で本当に忙しかった。"あんかけ焼きそば"が一番人気でしたが、気づけば"あんかけ焼きそば"を出す店が周りにかなり増えていました。私がつくる"ヤキソバ"は「梅月」で覚えた昔ながらの味。野菜の切り方など多少のアレンジを加えていますけどね」（鈴木）と、伝統の味への絶対の自信をのぞかせる。